連続主義は、あらゆるものの本質的同一性を説く考え方であるが、これは、真の連続体の特徴と関連する。不連続性を明確に説明するには、個々の要素の同一性について云々することが不可能であるのと同様に、一般概念においても、個々の具体的事例は、現実化以前は全体の構造の中でいわば「融け合って」いる。また、この規範科 […]
人間は不平等に生まれてくるにも関わらず、他者との不公平感を容易に解消することは出来ない。 例え、それが自分のアイデンティティに根ざしたものであってもである。『ブレイキング・バッド』の主人公は正義より家族を、やがて家族よりもアイデンティティにこだわり、全てを喪失することでストーリーを完結させた。『 […]
映画『MI5 -Worricker-』主演ビル・レイと『我は汝に誓う我が祖国よ』 英国の諜報機関の職員である主人公ジョニー・ウォーリッカーは、ビル・レイの当たり役である。40歳から役者に転向という経歴も然る事乍ら、英国出身のレイモンド・チャンドラーの主人公フィリップ・マーロウを思わせるハードボイ […]
ノンフィクション・ノベル『影の獄にて』と映画『戦場のメリークリスマス』 ユング派分析家の河合隼雄は、スイスのユング研究所に留学時代、教育分析をうけていたマイヤー教授から、ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』を読むように薦められた。彼は「東洋と西洋の相克と理解」、「日本人と西洋人の深層意識」を描き出し […]
小説『怒りの葡萄』と映画『インターステラー』が示す人類の危機の乗り越え方 映画『バックマン』のダークナイト・トリロジー三部作やレオナルド・ディカプリオが主演の『インセプション』、戦争映画『ダンケルク』等で有名な映画監督クリストファー・ノーランは、英国出身でロンドン大学で文学を専攻した脚本家でもある […]
映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』に登場するファッション・フォトグラファーのマーク・レイ。元モデルのハンサムでロマンスグレーの似合うナイスミドルな彼は、一見ニューヨークの”勝ち組”。しかし、華やかなパーティー会場を後に向かった寝床は、友人の住む雑居ビルのアパートの屋上に隠れるように寝袋にくるま […]
少し前に『マッドドライヴ』という映画を観た。 まあ、何の前置きもなく見れば、途中から主人公の独善的な振る舞いに辟易してしまい。まさかこのまま終わるとは、と見終わった後に落胆するに違いない。 映画のタイトルも酷い。『マッドマックス〜怒りのデス・ロード』で脚光を浴びた主演のサイモン・ハリスにあやかっ […]
ニューカレドニアは、天国に近い島は植民地で、戦場であり続ける。日本は今、誰にとって素晴らしい国なのだろう? 日本から気軽に行ける南洋の珊瑚礁を楽しめる観光地として、特に安価な行き先としてニューカレドニアがある。今なおフランスの植民地であり、この地は世界のニッケルの四分の一が埋蔵されているという資源 […]
「市場の倫理」と「統治の倫理」の内戦 SDGsのグローバルなコンセンサスでにおいて、ひとつ懸念しているのは、気候変動問題がある種の救心力あるいは数値目標となっていること。つまり気候変動への対応そのものが国家の功利主義的協調政策となって、<人類対地球温暖化現象>の枠組みをつくることで成立していること […]
ルワンダにはまだ行った事がない。 アフリカの中では小さな国だが人口密度は最も高く、盆地のようになって山に囲まれ、大きな湖がある千の丘の国と呼ばれた国だと聞く。2012年にコンゴ民主共和国(DRC)に行く前に、元UNHCRのゴマ事務所長(DRCのキンシャサに次ぐ第二の都市)だった米川正子さんに、キンシ […]